
歯周病菌 歯科の吸血鬼 Pg菌の話
2017年11月8日 歯周病菌 歯科の吸血鬼 Pg菌の話 はコメントを受け付けていません。歯周病菌の種類は以前は300種類と言われていましたが、今では、800種類を超えると言われています。
その中で、 極悪御三家として
Treponema denticola トレポネーマ・デンティコーラ
Porphyromonas gingivalis ポルフィロモナス・ジンジバリス
Tannerella forsythia タネレラ・フォーサイシア があります。
この中の親分は、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)です。
この菌は吸血鬼のように血液をエサにしています。 そして吸血鬼が、日光を苦手とするように酸素が苦手です。
Pg 菌は、どこから感染するのかま だわかっていません。また、最近、検査の精度が上 がり、ごく微量の Pg 菌でも検出できるようになりました。歯周病でない口腔からも Pg 菌が検出されるようになりました。
この菌に感染したとしても、この菌は、細々と弱々しく生きています。体 に害を与えることもあまりありません。ところが、お口の中が不潔になりミュータンス菌(むし歯菌が歯に付着し始めると細菌は住みやすい環境を作るため細菌同盟を結び歯に強固に付着してきます。ある量に達すると、歯に接している歯肉に炎症が起こり歯肉の内面がやられ、血が出るようになると状況は一変します。密かに細菌同盟に参加していた少数派のPg 菌は血液を得ると、数百倍から数万倍まで 数が増えてしまいます。
そして、骨を破壊し歯周ポケットという歯と歯肉の間の溝をどんどん深くしていきます。その溝が4mm以上になると溝の奥の酸素が減ってき ます。Pg菌は酸素が苦手なのでますます元気になり増殖します。 一方で、体の側も黙っていません。あらゆる手段を使ってPg菌を攻撃し排除します。しかしその結果、自ら顎の骨を溶かしてしまうことになります。 これが、歯周病です。
歯周病を予防するためには、Pg 菌に血液というエサを与えず、酸素のない住家を与えないようにしなければなりません。まずは、Pg菌の住家を知るために歯周病検査を受ける必要があります。歯肉のどの部位から出血があるか、4mm以上の歯周ポケットがどこにあるかを調べます。そして歯ブラシと専門的クリーニングにより出血と4mm以上の歯周ポケットをなくします。これによりPg菌はおとなしくなります。しかし居なくなる訳ではなく、息をひそめて暴れだす機会を待っています。 その機会を与えないためにも定期検診が必要不可欠です。
当院では、Pg菌がお口の中にいるのか、もしもいたとしたらどの程度いるのかを知ることの出来るDNA検査を受けることが出来ます。検査結果により、どのくらいの間隔でプロフェッショナルクリーニングを受ければよいのかの診断も同時にわかります。以前は20.000円ほど掛かっていましたが、当院はホワイトエッセンスに加盟していますので、4.900円です。今後のお口・全身の健康維持・増進のために、DNA検査をお勧めいたします。